みなさん、就業規則とは何かを考えてみませんか?
まず、単純に就業規則といえば、
職場において守られるべき規律や共通の労働条件
を定めたものです。
しかし、会社の業績も順調にいっているときは、就業規則のことなどは経営者の頭の中に無いかもしれませんね。
「社員との意思疎通がうまくいっているし、経営のことで頭がいっぱいだから就業規則は後回しでいいや。」
あなたもこのように考えていませんか?
しかし必ず、就業規則について考えなければならない日がやってくるのです。
遅かれ早かれ、経営者であればいずれ向き合わなければならないもの、それが就業規則なのです。
会社や経営者の状況によりそのタイミングはそれぞれですが、以下が多いようです。
就業規則を作成するタイミング
- 労働基準監督署などの行政から調査や指導があったから
- 助成金の申請で必要になったから
- 社員から労働時間管理や休日などについて質問があったから
- ニュースなどでも働き方改革や労働時間の上限規制、有給休暇取得の付与義務化など法改正が話題になっているから
- 今まで経営者自身で就業規則を作ってきたけど、手に負えないように感じてきたから
こうしたタイミングで就業規則についてしっかりと考えなければならなくなったとき、
本当の意味での就業規則とは何かを、目的と内容から深く知る必要がありそうですね。
本当の意味での就業規則を早く知りたい方はこちらで結論に飛べます→
就業規則の主な目的と内容について
「就業規則」とは、職場において守られるべき規律や共通の労働条件を定めたものであり、職場でのルールを定め、それを守ることで労働者が安心して働き、無用のトラブルを防ぐことができるので、就業規則の役割は重要といえます。
就業規則について、使用者が気をつけるべき主な事項には以下のようなものがあります。
なお、就業規則に盛り込む事項については、労使トラブルに発展しやすい労働条件を明確にするために必ず記載する事項(絶対的記載事項)と、記載する義務はなくても定める場合には記載が必要な時効(相対的必要記載事項)、任意に記載する任意的記載事項があります。
- 常時10人以上の労働者を使用する事業場は必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ること。(労働基準法第89条)
※「労働者」にはパートタイム労働者やアルバイト等も含まれます。 - 就業規則に必ず記載しなければいけない事項(労働基準法第89条)
・始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、交替勤務制の場合の就業時転換(交替制)に関する事項
・賃金に関する事項
・退職に関する事項 等
※相対的必要記載事項、任意的記載事項は省略 - 就業規則の作成・変更をする際には必ず労働者代表の意見を聴くこと。(労働基準法第90 条)
※「労働者代表」とは、
(1)事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、
(2)そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者
とされています。 - 就業規則の内容は法令や労働協約に反しないこと。(労働基準法第92条、労働契約法第13条)
- 就業規則は、作業場の見やすい場所に常時掲示するか備え付ける、労働者に配布するなどの方法により周知すること。(労働基準法第106条)
会社の義務ではなく権利を記載することができる
いかがでしょう?
上記就業規則の主な目的と内容から考えると、見方によっては、就業規則は、労働基準法の内容を会社に遵守させるための
「会社の義務」と「社員の権利」が記載されているものとイメージされる経営者もいらっしゃるようです。
たしかに、労働基準法をはじめとした法規制関係が多いです。
しかし、就業規則は、法律関係を遵守した上で、会社として自由に作成することもできることから、視点を変えれば、この就業規則に
「会社の権利」と「社員の義務」をきちんと記載することができるともいえます。
会社の考え方や経営者の思いを盛り込まなければ本当の就業規則とはいえない
就業規則は会社として作成することができることから、作成する際に、会社の考え方や経営者の思いを活かすことができる内容をきちんと盛り込むことが大切といえます。
すなわち、会社の考え方や経営者の思いを活かすことができる内容を盛り込んだ職場のルールが
その会社にフィットした本当の就業規則といえるのです。