うちの会社のパートさんはよく働いてくれるし、仕事がいそがしいときには残業も出てくれるので、社長が「手当」を付けた。そうしたら、それは違反になると言われてしまった。社長としては、パートさんがよくやってくれているので、手当を付けて何が悪いのか、と理解に苦しんだ。
実は、手当を支給することはよいとしても、
残業したときに時間外(残業代)を支給する場合に、その計算の基礎にこの「手当」の支給額を入れて計算していない場合に違反になります。
ご承知のように、
使用者は、労働者に時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合には、法令で定める割増率以上の率で算定した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条、他)
・時間外労働に対しては、2割5分以上
この割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金額」となります。(たとえば、月給制の場合、各種手当も含めた月給を、1か月の所定労働時間で割って、1時間当たりの賃金額を算出します。)このとき、下記の(1)~(7)は、労働と直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支給されていることなどにより、基礎となる賃金から除外することができます。(労働基準法第37条第5項、労働基準法施行規則第21条)
(1) 家族手当
(2) 通勤手当
(3) 別居手当
(4) 子女教育手当
(5) 住宅手当
(6) 臨時に支払われた賃金
(7) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
(1)~(7)は、例示ではなく、限定的に列挙されているものですので、これらに該当しない賃金は全て算入しなければなりません。
また、(1)~(5)の手当については、このような名称の手当であれば、全て基礎となる賃金から除外できるというわけではなく、実体で判断されます。
ということで、
この「割増賃金の基礎となる賃金」から「除外できるもの」が決められていますので、手当を付けたら時間外手当の計算の基礎に入れることを忘れないようにしましょう。